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ロルフィング®

ベーシック10シリーズ、ポスト10、アドバンス


ロルフィング®︎は、主に筋膜という結合組織と知覚に働きかけて、身体の構造と機能(姿勢と動作のパターン)の変化を促し、「重力と調和した身体」を目指すボディワークです。

 

身体感覚を養い、身体を通して自ら気づく「快適さ」や「心地よさ」を選択していけるように促す身体教育(ソマティックなエデュケーション)でもあります。 

 

米国の生化学者、アイダ・ロルフ博士 (1896-1979) によって創始されました。ロルフィング®︎の名称は、創始者の姓 " Rolf " に " ing " をつけて " Rolfing " と動名詞化したものです。

 

もっと詳しい説明、セッションの進め方、歴史、筋膜について、期待できる効果については、日本ロルフィング協会による「ロルフィング®︎の紹介」をご参照ください。ケーススタディなど他にも充実した内容をご覧いただけます。

 

ロルフィング®︎メニューの主な違いは以下の通りです。初めての方はベーシック10シリーズをどうぞ。

 

[ベーシック10シリーズ]

ロルフィング®︎の基本。10回で終了するプログラムです。詳しくは次項をご覧ください。

 

[ポスト10・セッション]

10シリーズ終了後のメンテナンスに。10シリーズ終了時の状態に回復させたい方にお勧めです。ご希望に応じて1~5回で構成します。

 

[アドバンス・セッション]

10シリーズ終了時後、より統合された快適な状態、より新しく繊細な動きを探求したい方にお勧めです。ご希望に応じて1~5回で構成します。

 

私自身の体験も含む、ロルフィング®︎体験談はこちらから

アップデートした身体を維持し、さらに洗練するために大切なこと

 

1. 身体感覚を養う

 

身体感覚とは、例えば「伸ばしたら気持ちいいなあ」「縮むと窮屈だなあ」「膝を曲げる角度がちょっと違うと、全身のバランスが全然違うんだなあ」「背筋をまっすぐ伸ばそうとしなくても、背骨自体がふんわり伸びようとするんだなあ」などといった、ご自身が主観的に感じる身体の感覚です。

 

そういった「感じ」に繊細に気づけるようになると、ご自身の身体が快適な姿勢や動作を自動的に選択できるようになっていきます。好奇心をもって、根を詰めず、飽きない程度に「今、どんな感じがするかなあ?」と、ご自身の感覚を観察してみてください。

 

2. 周囲の空間・環境への気づき

 

身体感覚が養われてきたら、「自分の皮膚の外側」にも注意を向けてみましょう。見えるもの、聞こえるもの、匂いがするもの、触れるもの、味がするもの、気配がするもの、空、地面、建物、人、街路樹や花壇の植物、犬や猫、車、自転車、信号機 etc.

 

注意を向けることで筋膜のネットワークは作動し、向けた方向に、ほんの少し身体も向かいます。それによって身体の支え方も変わります。そして身体(自分の皮膚の内側)もなんらかの反応をします。例えば「花の香りをかいだら、頬が緩んで胸がひろがった」とか、「広くて見通しのいい道を歩いてると、息がしやすいな」とか。

 

逆に身体が変わると、周囲の空間・環境から受け取る情報も変わります。例えばセッション前後に同じ道のりを歩いていても「行きに気づかなかった花が、帰りには目に入った」とか(もちろんその逆も)。同じ日差しでも、同じ店の看板を見ても、すれ違う人に対する反応も、身体の内側に感じる感覚は、行きと帰りではちょっと違っているかもしれません。

 

そんなことを、やはり好奇心をもって、ときには実験するつもりで観察してみてください。


ベーシック10シリーズについて


ベーシック10シリーズでは、以下のように10回のセッションを進めていきます。同じことを10回繰り返すのではなく、「レシピ」と呼ばれる毎回違うテーマがあり、最終的に全身の新たなバランス、コーディネーションを実現するための構成になっています。

 

なぜ10回なのか?それは、長年の身体の使い方のクセをリセットして新たな使い方を身につけるには、ある程度の回数・期間が必要なことと、ご自身の身体がより快適な姿勢や動作を自動的に選択していけるように、身体感覚を養っていく期間でもあるからです。

 

[表層のセッション]

 

#1セッション:自由な呼吸

呼吸の質・量の改善、身体のどこを使って呼吸しているか?

 

#2セッション:大地に根付く足

骨盤より上全体を楽に安定させるため、足の支える力を充実させる

 

#3セッション:身体の側面の広がり

身体の側面に外くるぶし〜耳までをつなぐラインを整える

 

写真はアイダ・ロルフ博士 Rolf Institute® of Structural Integration. Photo credit: David Kirk-Campbell, Certified Advanced Rolfer™

[深層のセッション]

 

#4セッション:脚の内側・骨盤底

脚の内側〜骨盤底を整えて骨盤内部や背骨の最下部を目覚めさせる

 

#5セッション:腹部の空間の確立

大腰筋・腸骨筋が機能するように、腹部の空間を整える

 

#6セッション:背骨・仙骨の自由な動き

仙骨を骨盤から自由にして、背骨の一部にする

 

#7セッション:首・頭の解放

背骨を通して、頭と仙骨のつながりを見つける

 

[統合のセッション]

 

#8セッション:下半身 / 上半身のつながりと統合

#9セッション:上半身 / 下半身のつながりと統合

身体バランスを安定させ、動きの中で身体のつながりを見つけられるようにする

 

#10セッション:全身の統合(10シリーズの終結)

全身の新たなつながりに気づき、シリーズ終結後により統合が進むようにする

 

日本ロルフィング協会による、セッションの進め方はこちらから


個人的な考察


"Gravity is the therapist."  

 

「重力が、セラピストだ。」アイダ・ロルフ博士は言いました。それを聞いて私は「なんのこっちゃ?」と思ってました。それから「重力が?セラピスト??」と考え続けてもうすぐ10年。現時点での私の理解をまとめてみようと思います。

 

①筋膜のネットワークと張力

+ ②空間、環境への気づき

+ ③重力の作用・反作用

 

= ④重力と調和した身体 

= ⑤「重力をセラピスト」とできる身体

= ⑥地球上で生きること自体がセラピーになる身体

  

①筋膜のネットワークと張力

>> 拡散・収縮 >> 個人の、身体の支え方、在り方

 

②空間、環境への気づき

>> 水平方向 >> 周囲とのコミュニケーションの仕方

 

③重力の作用・反作用

>> 垂直方向 >> 地球とのコミュニケーションの仕方(指標)

 

④重力と調和した身体 >> ロルフィング®︎のゴール

 

⑤「重力をセラピスト」とできる身体

>> ③の指標に自覚的になると、その関係性から①②は自動調整

 

⑥地球上で生きること自体がセラピーになる身体

>> より統合が進むと、人はどのように進化していくのか?

 

アイダ・ロルフ博士は、二足歩行の動物として人はまだ進化の途上と考えていました。また、張力で支える身体で他者とのコミュニケーション方法が変わる、とも。

 

プッシュして戦うのではなく、寄りかかって依存するのでもなく、自立しながらリーチできる、手を伸ばせる身体。そんな人々で構成された社会はどんなだろう?と考えていたらしいです。


多くのソマティックなボディワークでは、周囲の環境を含めたその人全体について言及しますが、アイダ・ロルフ博士ほどのプライオリティをもって、「重力の作用」を、常にいちいち考慮するメソッドはないと思うんです。なんでだろ?

 

アイダ・ロルフ博士は女性です。時代を考えると、女性で、化学者で、メソッドの創始者というのは珍しかったと思います。

 

重力の作用を常に考慮するというのは、大地・地球との関係を更新し続けるということで、そのことに自覚的であれということ。

 

受精卵が子宮に着床することで発達するように、人が地球に着床して(= 重力と調和して)発達すると、どんな進化が見られるだろう?

 

そんなことを考えたんでしょうか。そして、そこに着目したのは女性だからというのもあるのかな?などと想像したりします。

 

ともあれ、「筋膜リリースは宇宙空間でもできるけど、ロルフィング®︎はできない。(*)」そこに私は魅力を感じています。

 

フランスのロルファー™、ウベア・ゴダールは、「私たちを取り巻く環境は変化に満ちているが(**)、唯一重力だけは不変で、そこから安定を得ることができる」と言いいました。地球との関係が拠り所になるって、いいですね。

 

* 宇宙飛行士が地球に帰還して身体を重力に適応させるリハビリをする際には、ロルフィング®︎を受けたりするそうです。

 

** ホントにそうかなあ?と考えてみたんですが、天候、温度、景色、音、匂い、感情etc. 確かにもう、あらゆることは変化しますね。有機物はもちろんのこと、無機物の鉄も錆びるし岩も削れていくし。

 

アイダ・ロルフ博士の詳しいの経歴はこちらから

 

写真はアイダ・ロルフ博士 Rolf Institute® of Structural Integration. Photo credit: David Kirk-Campbell, Certified Advanced Rolfer™